Title: Progress and Present Status of Surgical Treatment for Ulcerative Colitis
Abstract:潰瘍性大腸炎(以下UC)では内科的治療法の選択肢が増加し,2000年以降の手術症例では,ステロイドの投与量は減少している.手術適応の変遷をみると,重症・劇症での手術症例が有意に減少し,それにともない,緊急手術症例も有意に減少している.一方,癌/dysplasiaで手術となる症例が有意に増加していた. 手術はIPAAとIACAが確立された術式であり,IPAA領域では,選択された症例では1期的な手術が...潰瘍性大腸炎(以下UC)では内科的治療法の選択肢が増加し,2000年以降の手術症例では,ステロイドの投与量は減少している.手術適応の変遷をみると,重症・劇症での手術症例が有意に減少し,それにともない,緊急手術症例も有意に減少している.一方,癌/dysplasiaで手術となる症例が有意に増加していた. 手術はIPAAとIACAが確立された術式であり,IPAA領域では,選択された症例では1期的な手術が可能になったことが進歩であり,IACA領域では歯状線近くでの吻合が可能になったことが術式の進歩である.手術方法は小開腹手術,腹腔鏡補助下手術,腹腔鏡下手術の長所,短所が現在論議されているところである. 高齢者の手術症例は2000年以降有意に増加している.その緊急手術の予後は極めて不良であるため,高齢者の重症・劇症例では,内科医と外科医が共観のうえ,手術のタイミングが遅れないようにしなければならない.Read More